ARAABMUZIKをグーグルで検索してみると、この名前のプロデューサーがドラムマシーンのMPCの機材をああたかも楽器のごとく打ち鳴らす多くの衝撃的なビデオにでくわす。この時代によくフィットした、彼のリズミカルな高速タッチをある人は詩的なムーブメントと呼び、またあるものはMPC上のスーサイズとも呼んでいる。
ロードアイランド州に生まれたこのエイブラハム・オレラナことARAABMUZIKは、3人兄弟の真ん中として音楽の世界に幼き頃から憧憬の念を抱いていた。本人曰く「3歳でドラムをはじめ、10歳ではキーボードを使いすでに作曲活動を始めていた。母親がかつてシンガーだったことや、カリブの島ドミニカと中米ガテマラの血を引いていることが、彼の音楽的な才能の源流になっていることは間違いないようである。
ARAABMUZIKの作品のスタイルは多くのサンプリングされたネタがMPC上でライブでアレンジ、出力され、高速なハイハットとキックがドラムパターンに乗っかっていくパターンを多用する。A$AP ROCKYやA$A Nob、Cam’ronなどとの共同プロデュースをしている。最近ではヒップホップというジャンルにとらわれず、ダブステップ、EDMのスタイルも巧みに利用しながら、独自のARAABMUZIKの世界観を作り上げている。