SOUND MUSEUM VISION

渋谷の地下に広がるこの巨大なスペースには、さまざまな表情があります。

DJ MITSU THE BEATS

DJ MITSU THE BEATS

00年に発表したデビューミニアルバム『Bust the Facts』で彗星のごとく日本のヒップホップシーンに登場した仙台在住の3人組GAGLE。その後に発表した作品群も世界中のDJや好事家の間で賞賛を 浴び、国内外において確固たる人気を獲得しているグループである。で、このグループのトラックメイカーが、DJ MITSU THE BEATSその人だ。
DJ MITSU THE BEATSはジャズを中心にサンプリングネタを独自の審美眼で選び出し、そのネタを下敷きにしながらオリジナリティをスパイスして、トラックを作り上げて いく。サンプラーなどを駆使し、丹精込めてトラックを作り上げていくそのさまは、まるで職人のよう。そんな彼がヨーロッパやアメリカ、日本などからゲスト を招聘し、03年にリリースしたソロデビューアルバム『NEW AWAKENING』は、これまた世界中の音楽家/コアリスナーから絶賛されるほど素晴らしい出来映えだった。さらに言えるのは、このアルバムは日本の ヒップホップシーンに新たな道しるべを示したエポックメイキングであり、例えば紀元前/紀元後と分けられるように、日本のシーンを『NEW AWAKENING』以前/『NEW AWAKENING』以後と分けてもいいと言えるほど、シーンに屹然とそび立つ金字塔作品だったということ。でもって、ここに収められた楽曲群は、DJ MITSU THE BEATSが鼻から思い切り吸い込んだニュースクールやジャズ、ソウル、ファンクなどの空気を、自分の体内でろ過、ミネラル分を抽出し、独自のフィルター というべき音解釈をまぶし、口から出す、という一連の生産プロセスのなかで、研磨され眩く輝いていったものである。それらはヒップホップは根幹にするが、 どんなジャンルカテゴリーにも属さない、“DJ MITSU THE BEATSサウンド”なのだ。