IS AND ISM

鋭いインスティンクトと、精緻なクラフツマンシップ。理想的な補完関係で音楽を作るIS AND ISMは、それぞれ異なるフィールドで活躍するふたりのクリエイターをメンバーに擁する。倉石一樹は、ファッションとグラフィックの世界をまたいで国内外で広く活躍する、東京を代表するデザイナーのひとり。アディダスのプロジェクト“adidas Originals by Originals”や、英国的伝統をモダンにアレンジするアパレル・ブランド“CASH CA”のクリエイティヴ・ディレクターを務める一方で、ストーン・ローゼズのイアン・ブラウンらのアルバム・ジャケットをデザインするなどその活動は多岐にわたり、2011年にはセレクトショップHeather Grey Wallもオープンしている。そしてNAOTOこと廣山直人は、昨年デビュー10周年を迎えたORANGE RANGEのギタリスト/音楽的ブレーンであり、サイド・プロジェクトのdelofamilia名義でも、2007年以降3枚のアルバムをリリース(3月に4作目『archeologic』を発売予定)。そんなふたりは、2006年に共通の知人を介して出会い、音楽の話で意気投合して親交を深め、仕事上でもコラボレーションを始めたのは2009年のこと。倉石が自ら愛聴する洋邦ミュージシャンの曲を集めたアルバム『One by One~kzk soundtrack from adidas Originals by Originals』に、NAOTOがdelofamilia名義の未発表曲『blond head』を提供し、以後delofamiliaのセカンド『eddy』(2009年)とサード『Spaces in Queue』(2011年)のジャケット・デザインを倉石が担当。と同時に倉石はNAOTOからギターを教わるようになり、レッスンの一環で曲作りをスタートして、IS AND ISM結成に至った。ふたりはファッション関連のイベントやフェスティバルでライヴを行ないつつ、6曲入りのデビューEP『SOMA/FOUR』(“SOMA”はNAOTO、“FOUR”は倉石を象徴する)を完成。アメリカのオルタナ・ロックからブリット・ポップ、ジャパニーズ・ロックまで幅広いインスピレーション源に根差したこれらの曲は、倉石が出発点を定め、そのユニークな発想でNAOTOを刺激し、NAOTOが豊富な音楽的アイデアを駆使して構築したもの。敬愛するソニック・ユースのギタリストたち(倉石はリー・ラナルド、NAOTOはサーストン・ムーア)に準えて、ふたりが弾く様々な音色のギターを重ねることで、ハーモニーとノイズ、ポップとアブストラクトが交錯する、インストゥルメンタル・サウンドを鳴らしている。